第9回美ヶ原トレイルラン(80㎞) レポ2
コース図はこちら。ブランシュたかやまスキー場をスタートし時計周りにぐるっと一周して戻ってくる。

80㎞の高低図はこちら。中間地点はA3和田宿。後半はここから約1,000m登り返してFINISH。前半で脚が終わってしまうと苦しいレースとなるのは明らか。前半は極力抑えることを意識し、AM4時、80㎞の旅がスタートした。

まずはゲレンデトップを目指して約3.5Kmの登り。この時期はすぐに陽が昇るためヘッドライトはザックにしまったまま、序盤からポールを使って走っていく。以外とポールを使っている人は少なく1割もいないか?
ゲレンデを登りきると稜線を進んでいく。ちょうど朝日が昇りモルゲンロートに包まれる稜線を選手が連なって走っている景色に、美ヶ原にきてよかったなとしみじみに思った。しかし天気が良かったのはこの時だけであとの稜線は見事に霧に包まれてしまい、山本小屋手前の美しの塔も霧に包まれていた。
A2山本小屋 7:56:53
エイドではパン3つを頬張り、 クエン酸ドリンクをソフトフラスク一本に補充。霧に包まれ涼しいためか水分の消費は少なめ。 ここまでアップダウンを繰り返してきたがポールを使って極力脚を温存した(つもり)。5人ほど連なった登り区間でもペースは遅いと思ったが後半のことを意識して無理せずについていった。
山本小屋に親が応援に来てくれると言っていたので見回したが見つからない。8時半前後と伝えていたが予想よりも30分も早く到着してしまった。少しロードを走りまたトレイルに入るため、スマホを取り出して電話をかけると山本小屋でちょうどすれ違いだった様子。トレイルの入り口で5分ほど待つと車でやってきてくれた。少し言葉を交わしおやつの差し入れをもらってまた進む。普段は娘たちを応援する側だが、今日は昔に戻って親に応援してもらうとは。昔に戻ったようで純粋にうれしく元気がでた。待っている間に5人ほどに抜かれたがまだまだ序盤なので焦らずに進む。この先はレンゲツツジの群生地を抜けてガレた物見石山を過ぎると和田宿まで一気に降りていく。ここでちょっと調子にのり抑えてはいるものの気持ちよく飛ばしてしまった。トレイルからロードに出ると路面の固さが大腿筋に響く。 ロードに出たら A3和田宿はすぐだと思い4分半のペースで進むもなかなかつかない。中山道の古い町並みに大分脚に疲れを感じながら進むと漸く到着。
A3和田宿 9:20
名物のそばとそうめんを一杯ずつもらう。うまい。コーラと水分補給を行い、最後にトイレに寄って5分程度で出発。いよいよ後半戦開始。
フラットなロードを2㎞程度進むがペースは5分半がやっと。脚に力が入らない。やはり物見石山からの下りで消耗してしまった。 ITJの苦い思いが頭をよぎる。一度高度差±200m水沢峠をひいこらと超えた後、いよいよA4の牧場へと9km続く「走れる」東沢林道へ。前日のブリーフィングでも言っていたがこの林道は走れる林道。ただし、脚があれば・・・。
ここは走るとフラットに見える勾配のかなり緩い林道。Garminの高度計を見てもいくら走っても走っても高度が上がっていかない。前と後ろのランナーと一緒に辛うじて走っていく。途中、前走者のペースが落ちたため前に出るも、いつまで経っても変わらない景色と高度に精神的に追い詰められていく。とうとう我慢ができずに立ち止まり水を飲む。すぐ後ろにいた選手はそのままのペースで進んでいった。さて一度たがが外れるとなかなか走り出す力がでない。ポールを使ってなんとか早歩きで進むも力が湧いてこない。再度水を飲み、チョコバーや塩飴などを口に放り込む。復活を期待してなんとか走りだすと漸くスタッフの姿が見え「A4まであと3km」の声。苦しい林道が終わった安堵感はあったがまだ力は出てこない。

ちょうどそのとき女性2位の星野選手が現れ少し言葉を交わす。星野選手も登りは歩きだがペースは速い。そして牧場地帯に入り下りはしっかりと走っているためじりじりと離されていく。45kmの選手と合流ししばらく同じルートと辿り声をかけ道を空けてもらって進む。牧場の建物が見えあと少しでエイドだと思っていたら無情な分岐が。
← 80/90km 45km→
ここでコースをすっかり忘れていたことに気づく。80/90kmは牧場のエイドを目の前にぐるっと遠回りしなければならない。牧場ののどかな風景の中を登りはよちよち歩き下りはなんとか走る”ふり”をして進むこと数キロ、ようやくA3長門牧場に到着。星野選手は入れ替わりで出発していった。(その後星野さんは11:01:33でFINISH。自身の後半の弱さがよくわかります。。)
A4長門牧場 12:20
ここでは名物「飲むヨーグルト」。乳製品に対するお腹は強いほうなので気にせずに 紙コップ1杯半を飲み干す。生き返る。続いてコーラとおにぎり、梅干しをもらい水分補給。はじめてソフトフラスク2本(1L)に補給。天気が曇りで良かったが晴れだったらA3-A4区間は1Lではぜんぜん足りなかっただろう。
出発時、ボラの方たちに「ごちそうさまでした」とお礼を言うと大きな声で「いってらっしゃい!がんばって!」の声。勇気づけられた。
さてここからA5大門峠までの10kmは中央分水嶺トレイルを進む。
中央分水嶺とは、日本列島の太平洋側と日本海側とを分かつ「分水界」です。分水界、分水線など、異なる水系の境界線を指す地理用語で、山岳においては稜線と分水界が一致していることが多く、「分水嶺」とも呼ばれています。日本列島では、日本海側と太平洋側に分かれる分水界(嶺)の連続線を「中央分水嶺」と呼んでいます。
http://www.c-trail.com/trail_course/
長門牧場の先は一度トレイルにはいったあと、女神湖近くで舗装路にでる。ここには私設エイド「前橋トレラン部」の大きなテントが現れた。麦茶をもらって再度トレイルに入り、中央分水嶺トレイルの核心部を大門峠へと進んでいく。このときは45kmのボリュームゾーンだったようで選手たちでルートは賑やか。歩きの人が多く、声をかけて先を進んでいく。このとき気づいたらいくらか復活したようで(飲むヨーグルト効果?)ペースがあがる。そして大門峠手前の激坂では林道でパスされた80kmの選手二人に追いつき、ピークまでおしゃべりをしながら進んでいく。この坂は本レース最大斜度の激坂であるが、選手で埋まっているため落ち着いたペースで進むしかなくまたポールがあるので難なくピークへ到着。ここからエイドまでは下り坂。二人に先に行くと伝えて右足の大腿、股関節の痛みを我慢しながら進んでいくと程なくエイドに到着。フラスクにコーラを補充しパン3つを頬張り出発。さあ残りは10kmちょっと、ラストの区間だ。
A5大門峠 13:57:09
つづく