第9回美ヶ原トレイルラン(80㎞) レポ3
だいぶ時間が経ってしまいましたが続きです。
大門峠を超えてからも緩やかな勾配のトレイルが続く。かなり遅いジョグペースでなんとか走る。後半のこの区間を駆け抜けることができたらどんなに気持ちいいことだろうか。客観的にいまの現状を確認してみた(スコット・ジュレク風に)。
残りは10㎞ちょっと。疲れているか?Yes。心拍は?120台でいたって平静。痛みは?右足の股関節と前腿が痛いが走れないわけではない。胃はキリキリと痛い。ここまで揺られてダメージを受けたからか。エネルギーは?前のエイドでパンを食べただけ。ジェルをとらなきゃ。でもザックのサイドポケットから取り出すのが面倒だ。
致命的な状況ではないことはわかったが、その結果をうけて総合的に出た指令は「もう無理するな」だった。
エコーバレースキー場のゲレンデの登りが見えた。ここまでよりも勾配が大きぃい。やった、歩ける。
傾斜を歩く。ポールでリズムをとりながら。傾斜が終わった。さあ走らなきゃ。走らなきゃ。走らなきゃ・・・。でも、ここまで走ったんだからもう歩いてもなんとかなるよ。・・・そんな声に抗うこともせずにあっさりと受け入れ、歩く。
下の図の赤枠部が歩いた箇所。(Garminの電池をもたすためにUltra Track Modeで計測していたので止まったように見えますが歩き続けていました。)

ここまで抜きつ抜かれつしていたT氏が追いつき、しばしおしゃべり。T氏も脚が崩壊しちゃてさぁと笑顔で声をかけてくれた。気づくとおしゃべりに夢中になりこれまで抜いてきた45㎞の選手に次々とパスされ、80㎞の選手にも次々とパスされていく。おっとこれはいかんいかん。ここまで走ってきたのにあまりにもあっさりと抜かれすぎだ。何をやっているのだろう。しかし走らなきゃとわかっていたが身体が反応しなかった。ほどなくT氏が先行していく。追おうとしたが身体は反応しない。
その後鞭打ってようやくブランシュたかやまのゲレンデトップに到着。あとは3.5㎞のダウンヒルのみ。いつの間にか雨が強くなってきた。 火照った身体に 雨は気持ちいい。どうしてもっと早くから降ってくれなかったのだろう。そしたらもっとがんばれたのに。ザックの中のスマホは大丈夫かな?壊れたら新しいのを買う口実になるか。それにしても壊れかけている大腿にゲレンデ走はつらい。まったく下りでペースが上がらない。蛇行して胡麻化しながらなんとか進む。ゲレンデは滑るものだ。ラスト500mくらいで建物が見えてきた。あと少しだ。あれ、後ろからだれかきた。もういい加減抜かれたくない。こんなにがんばっているのに。振り向くと赤ゼッケン(80㎞)。ああ、あと少しなのにまた抜かれた。あの歩きさえなければ。悔やんでもいまの身体は追うことなどできない。
そしてFINISH。
11:29:27 31 総合33位 男子40代 7位
先にゴールしたT氏が声をかけてくれた。ストロングフィニッシュで6分前にゴールしたとのこと。すばらしい。その後 レタス 入り馬肉うどんをもらいともに食しレースを振り返ったりこれからのレースのことを話したりした後、帰路についたーーー。
こうしては2回目のミドルレース、美ヶ原トレイルはまたもほろ苦いレースとなってしまった。68km大門峠を過ぎてから抜かれたのは8人。走りきることができていたなら、とたらればを言っても仕方がない。
次は9月末の上州武尊山スカイビュートレイル70 。後半をいかに走り切れるのか。今度こそうまく走れるようまた鍛錬の日々だ。
最後に、本レースの開催にあたり尽力していただいた主催者、ボランティアの方々、参加者のみなさん、ありがとうございました。生まれ故郷ではじめてのトレイルレースを走ることができとても充実した一日でした。また美ヶ原トレイルを愛されていた西田さんに哀悼の意を表すとともに、より安全に意識を向けて、山に、そして自分に向き合っていきたいと思います。